今年3月末に架設作業を終えた離島・大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋

今年3月末に架設作業を終えた離島・大島と本土を結ぶ気仙沼大島大橋(長さ356メートル)がある宮城県気仙沼市内で、橋の人気にあやかろうとする動きが目立ち始めた。飲食店は大島大橋をモチーフにしたメニューを開発。橋をくぐる遊覧船は大幅に増便された。地元の観光関係者は「地域活性化につながれば」と期待する。

 気仙沼魚市場前の海鮮市場「海の市」にある海鮮料理店「カネト水産」が提供するのは「かけ橋丼」。イクラで表現した海に、橋に見立てたホタテ5枚が並び、厚焼き卵の船も浮かぶ

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 みそ汁、小鉢、漬物付きで2000円。今春の大型連休限定で提供し、好評だったことから正式にメニューに加わった。8月下旬までに約200食が出た。菊田欣和(よしかず)店長(47)は「地元で採れた新鮮なホタテを使っており、観光客の評判は上々だ」と話す。

 同市田中前の焼き肉店「マトン牧場」は、本土側の鶴ケ浦地区と大島の亀山を結ぶ大島大橋の愛称「鶴亀大橋」から取った「鶴亀盛」(3000円)を出す。

 地元の金属加工業者に特注した大島大橋を模したアーチ型のステンレス皿に上質な牛タンと和牛カルビ300グラムが盛られる。アーチの頂上部分に置かれたドライアイスの演出も好評だ。

 店を運営する「フィールドナウ」の今野秀一社長(68)は「地元のお祝いムードを盛り上げようと思いついた。実際に橋の工事に関わった関係者も食べに来てくれる」と明かす。

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 大島汽船が毎年、大型連休と8月に運航するクルージングは、今年は橋の下をくぐることから人気を集めた。同社は、8月以降の便数を当初計画の計15便から計52便に増便。9、10月まで期間を延長し、今後の利用者増に期待する。

 同社の担当者は「観光客だけではなく地元の利用者も多い。サンセットクルーズなどの新たな企画も考えたい」と意欲的だ。

 橋の開通予定は2019年3月。ビジネスチャンスと捉えた商品開発の動きは今後も活発化しそうだ。同市観光課は「大島大橋を生かそうとする民間の動きは、地域活性化と観光客誘致の起爆剤につながる」と歓迎する。